2012年2月29日

引っ越し

 二年間過ごした部屋を出て、とうとう東京に越して来た。こうしてやっていられるのも、周囲の皆がよくしてくれるからだと思う。

2012年2月25日

高校生

母校の高校に呼ばれたので行ってきました。進路の授業で、卒業生に質問攻めをする授業が毎年組まれるのですが、ぼくもとうとう呼び出されてしまいました。なにもぼく一人というわけではなく、同級生が20人くらい呼び集められていて、就職と進路の分野ごとに教室に分かれて在校生からの質問に答えて話をしました。
 専門学校を選ぶにあたって不安なこと、聞きたいことは山ほどあると思います。それは実際にその学校に通っている人に話を聞くほかないでしょう。学校見学や入学説明会はいわゆる「宣伝」ですし・・・。今回のような高校での授業で知りたいことが全部聞ければいいですけれど、やはりより詳しい話は”非公式”に在校生や卒業生に聞くのが一番いいと思います。最近はツイッターやフェイスブックもあることですし、気になる学校の在校生を見つけ出すことができて、コンタクトを取ることも容易なはずです。
 その学校に進学を決めたのはいつ頃か、決め手はなにか、授業内容や時間割はどうか、就職率はどうか、有名な卒業生や講師はいるのか、土日はどう過ごすか、楽しいことと辛いことはなにか。ざっとそんなことを聞かれました。中には、
「思うように絵を描けなくなった場合どう対処しているのか」
 という、質問がありました。ぼくが聞きたいくらいで、どう答えたものか悩みました。ぼくが人から言われてなるほどなと思ったことや、その中で気づいたことを交えて答えましたが、答えながらも「自分ではできているんだろうか」というような微妙な気持ちになりました。そもそもこんなこと偉そうに言えるんだろうか。
 有名な卒業生がいるかどうかという件については、そんなこと気にすることだろうかと思いながらも、確かに自分が高校の頃も少なからずそんなことを気にしていたことを思い出しました。今となっては、誰が出ているとかではなくて、自分がその学校でなにをするかのほうが重要だと思うのでそのように答えました。しかし卒業生が活躍しているかどうかも確かにその学校を評価するポイントにもなるようです。
 自分が高校生の頃もその授業を受けましたが、まさか自分が卒業生側として話すことになるとは思いませんでした。呼ばれてうれしいし、久しぶりに母校に行って高校生にいろいろ話すというのは新鮮でしたけれど、一番”ショック”だったのは、自分がこっち側にきてしまったということです。教える側ってほどではないですけれど、年下に向かって経験してきたことを話すっていう立場になってしまったっていうこと。うまく説明できないけれど、何故かその側に立ってしまうことが恐ろしくって。自分の言葉があの高校生達の人生選択に、参考程度かもしれないけれど、恐らくは少なからず影響を与えるわけで、それはすごく恐ろしいことでした。他人に影響を与えたくないなんてことは思わないです。作品を作って発表する身ですから、そんなことは思わないのですけれど、なにも知らない高校生になにか下手に吹き込んでしまって、彼ら彼女らに影響を与えちゃうって思うと、恐いのです。
 と言いながらもべらべらと思うところを話してきた次第です。

2012年2月19日

卒業制作展についてのお知らせ



 3月にぼくも東洋美術学校を卒業しますが、六本木は国立新美術館で開催される卒業制作展に参加しています。特に学校側の案内を手伝ったりはしていませんが、土日は基本的に会場に伺う予定です。作品について直接ご紹介できるかと思います。平日でも、ツイッターやフェイスブックなどでご一報くだされば伺います。お気軽にご連絡ください。

「第63回 東洋美術学校 卒業制作展」 
●2012年2月22日(水)— 3月4日(日)
●国立新美術館 3A展示室 入場無料 10:00 — 18:00(2月28日火曜日は休館)
●アクセス
・東京メトロ千代田線 乃木坂駅 6出口(美術館直結)
・東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分
・都営大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩4分
*一般車両用の駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。

2012年2月14日

憂鬱なコウモリ



1989年公開の「バットマン」も改めて観ると超かっこいい。ジャック・ニコルソンのジョーカーも今観ても全然いける。ヒースはヒース、ジャックはジャックさ。バットマンのスーツもゴムっぽい材質で昔ながらって感じがする。漫画からそのまま出て来たみたいな感じがする。黒地に黄色いベルトが効いてる。ジョーカーのタキシードの色も原色万歳って感じでイカしてると思う。「ダークナイト」もいいけれど、こっちも忘れないでね!
あとマイケル・ガフのアルフレッドがやっぱり一番良いね。渋いし、なんと言ってもあの美声。お得意の皮肉な台詞も切れがいい。

2012年2月11日

ペンギン男とノスフェラトゥ


 ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演の「バットマン・リターンズ」(1992年)の話。
 ぼくが最も愛するバートン映画の一つ。そうして最も物悲しいバートン映画の一つだと思う。アメリカン・コミックでお馴染みのバットマンの映画化作品ではあるけれど、これは半ばバートンのプライベート・フィルムと呼べるだろう。彼の異形への愛というか、そういった趣味が思い切り炸裂してしまっている作品だ。前作「バットマン」(1989年)でメジャー・デビューを果たしたバートンだが、公開前後はその大きすぎるタイトルのために神経衰弱になって苦しんだという。続編「リターンズ」はまるでその反動でああいった具合になったように見える。
 名家の長男としてクリスマスに生まれたオズワルドは、その醜い容貌のために両親の手により下水道に捨てられる。下水道は閉鎖された動物園の「氷の世界」に繋がっており、 彼はそこに取り残されていたペンギン達と生きていくことになる。
かわいそうなフリークの物語は、バートンの描いた絵本「オイスター・ボーイの憂鬱な詩」に見られるスタイル。この本に「ジミー みにくいペンギンの子」というキャラクターが登場するのは偶然ではないはず。
 コンプレックスと孤独のために性格の歪んだペンギンをはじめ、地味なOLが発狂して変身するキャットウーマン、昼と夜の二重生活に頭を抱えるバットマン(ブルースがいつも眉間に皺を寄せてるのは偏頭痛持ちだから?)・・・近年見られるアメコミ映画とはまるで違うのがわかる。バートン・ファンタジーなんだと思う。
 監督の趣味が反映しているのは暗い色彩と、異形への愛だけではない。劇中には原作には登場しない、この映画オリジナルの悪役として「マックス・シュレック」という男が登場する。ゴッサムの実業家で、原発建設を進めようとしており、なによりセリーナ・カイルをビルから突き落としてキャットウーマンにしてしまった張本人。
 この「マックス・シュレック」という名前は、史上最古の吸血鬼映画「ノスフェラトゥ」の主演俳優の名前と同じ。ドイツ表現主義のサイレント映画へのオマージュだ。そういう見方をすると、ダニー・デヴィート演じるペンギン男の見た目も、なんだか「カリガリ博士」のように見えてくる。多分意識していると思う。
 初めてこの映画を観たのは小学生の頃だったけれど、今になってこうして発見があると楽しい。観るときによって違うものが見えて来るし、だからこそ良い映画は残るんだろうなと思う。