2014年2月18日

「アズミ・ハルコは行方不明」感想



 都会から地方の故郷に戻ると、そこでは地元に残った友達たちが仲良く社会を形成して暮らしていて、久しぶりに戻ってその世界観を少し覗くとなんだか羨ましくもなります。それは両親の食卓での会話―誰々さんをどこどこで見かけた―みたいな話題からでも感じ取ることが出来ます。誰々さんをどこどこで見かけた。どこかしら知ってる場所に誰かしら知ってる人がいる、という小さな世界は都会に出て行くまで少し窮屈だったのですが、一度離れてみるとそういった自己完結した箱庭じみた世界が満ち足りても見えます。「アズミ・ハルコ」が行方不明になるのはそんな地方の世界でのことです。 
 車で個性を表現、休日はショッピングモールに集合といった地方ならではの典型的なライフスタイルが描かれていて地方出身者としてはうんうんと頷けるところが多いです。地方を舞台にしているのに登場人物が誰ひとりとして方言らしきものを口にしないのはどこの人でも共感できるようにするためなのだろうなと思ったりもしました。