2014年6月8日

ネズミの降伏


 結局のところ猫の宇宙艦隊は一発もレーザーを発射することなく、ネズミの惑星を降伏させた。猫の大艦隊は惑星軌道上に姿を見せただけでネズミ達の戦意を喪失させることができたのだ。
 しかし実を言うと猫の艦隊は大半が偽物だった。猫も無制限にエネルギーや兵器を動員できるわけではない。そこで猫達はホログラム映像を駆使して宇宙戦艦の数が数十倍に見えるように細工した。宇宙空間に映し出されたホログラムの偽艦隊は(中央に本物の宇宙船が配置されていたが、ごくわずかだった)まんまとネズミ達を騙し、大艦隊のレーザー砲撃で都市を破壊されるのを恐れた哀れな小動物はすぐに降伏した。
 ネズミの惑星が猫の標的になったのは、猫とペンギンの領域境界線付近に位置していたためである。同じ理由でいくつもの小さな惑星が侵略の標的にされ、猫とペンギン以外の種族も宇宙戦争に関与せざるを得なくなった。”猫とペンギンの宇宙戦争”はやがて銀河系規模の大戦に発展していくことになる。