2015年4月28日

「スター・ウォーズの新作についてぼくたちの知るいくつかのことがら」7.ティーザー予告編(2)




 第7回です。今回は3枚に渡ってのレポートとなってしまいました。とても一枚におさまりきる情報量ではなかったのです。
 4月16日の発表会は、できればアナハイムまで行ってセレブレーションに参加して見聞きしたかったところではあるけれど、それでもライブ中継のおかげでその場にいる人達とほとんど同じ興奮を味わうことができた。こういうときインターネットがあって良かったと思う。
 トークショーでは監督や社長、出演者があれやこれや話していたのですが何ぶんそこまでの英語リスニングのスキルがないので、その内容は英語に強い人が翻訳して書き起こしてくれることだろう。とりあえずトークの内容で判明したのは、これまでタトゥーインだと思われていた砂漠が、実は新たに登場するジャクーという星だったということ。前回紹介したティーザー予告第一弾や、それよりも前に触れたアブダビの砂漠での撮影ロケ風景など、誰もが「砂漠」と聞いてお馴染みのタトゥーインを連想したはず。それでも、中には玄人ファンが「砂の色や地形がタトゥーインらしくない!」と論じてはいた。さすがに勘ぐり過ぎだろうとぼくも思っていたけれど、案の定タトゥーインではなかったわけで、そういう細かいところに気付く人達はすごいなあと思う限りだ。
 中継画面をワクワクしながら見続けていると、ようやく予告編第二弾が解禁された。こういう半ばお祭り騒ぎ的なムードの中で、リアルタイムで最新情報に触れるという体験はこれまであまり無かったので、それだけでもぼくにとって良い夜だった。
 まずは新たに惑星ジャクーのものであると判明した砂漠が映り、遠景には墜落したスタ―・デストロイヤーが山のような風景を生み出している。第一作目の冒頭で見られたような、お姫様の乗った船を追いかけてく巨大で強い戦艦、というイメージへのアンチテーゼのようにも思える。「ジェダイの帰還」でのルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の「僕の家系はフォースが強い。父も持っている。僕もだ。そして僕の妹も。君も持っている」という台詞が流れていく。本来この台詞はルークがレイアに向かって言ったものだが、編集によりもう一人の、新しくスカイウォーカーの血を受け継いだ人物の存在を示唆しており、「帝国の逆襲」でのルークとヴェイダーの決闘で失われたはずの「アナキン・スカイウォーカーのライトセイバー」がその人物に手渡されるシーンも見られる。空中都市の奈落の底から回収されたのか、それとも形を似せて作られたのだろうか・・・。
 コンセプトアートにもあったダース・ヴェイダーのヘルメットの残骸は、とうとう実物がお披露目されたといった具合。冒頭のスタ―・デストロイヤーの残骸と続けて見ると、銀河帝国がとことん衰退したことを象徴しているかのようだ。
 ポー・ダメロン(オスカー・アイザック)がXウィングで飛び回るシーン、悪役カイロ・レンの姿もちらりと見え、レイ(デイジー・リドリー)とフィン(ジョン・ボイエガ)がともに危機を乗り越えていくというシナリオも予感させる。
 新しくデザインされたストームトルーパー達も、今まで以上に鮮明な姿を見せた。赤い大きな旗の前に集結したトルーパー達は真っ白で無駄な装飾がなく、ツルツルでシンプルである。イラストに描いていて改めて感じたけれど、このフォルムは大変美しい。絵に描いていてストレスが無いというか、むしろ快感を覚えるくらいだ(その美しさが再現できているかどうかはわからないけれど・・・)。けれど、彼らは帝国に見えて帝国ではない。この予告編全体が、「スタ―・ウォーズ」なのだけれど、どこか違う、別の「スター・ウォーズ」に見えるように。一体「ファースト・オーダー」とは何なのだろう。
 ラスト近く、砂漠に埋もれた巨大な宇宙船の、トンネルのようなエンジン・ノズルの中に、ミレニアム・ファルコンとそれを追うTIEファイターが入っていく。最初はこの大きくていくつもあるエンジンを見てなんの船だかわからなかったが、ぼくの友人が気付いたところによれば、これは「帝国の逆襲」に登場したスーパー・スター・デストロイヤーではないかということだ。確かに言われてみればこの巨大感はそうかもしれない。旧作に登場したスーパー級は「ジェダイの帰還」における決戦で撃沈されてデス・スターと激突し大きな火柱となったので、これは同型の別の船だろう。「ジェダイの帰還」から30年の間に一体どんな戦いがあったのか非常に気になる。スーパー・スタ―・デストロイヤーが撃沈されるくらいだから、このジャクーで行われた戦いは、帝国と反乱軍の戦いの行方を、帝国の敗退を決定づける重要なものだったのかもしれない。
 ラストに登場するスマグラー・コンビについてはなにも言い添える必要はないだろう。実際に予告編が公開された会場では大歓声が起こっていたらしい。ハリソン・フォードは飛行機墜落事故での負傷のためか会場に訪れなかったが、その場にいないことがより彼に伝説的な雰囲気を持たせて、この予告編を素晴らしいものにしている。なんでこんなインディ・ジョーンズと見まがうような革ジャンを着せたのかどうかはわからん。

2015年4月23日

「スター・ウォーズの新作についてぼくたちの知るいくつかのことがら」6.ティーザー予告編



 だらだらしていたら先日カルフォルニアはアナハイムでのイベント「スタ―・ウォーズ・セレブレーション」にてティーザー予告第二弾が発表されてしまったので、とても今更感があるが、ひとまずティーザー第一弾のおさらい。長年7番目のエピソードを待ちこがれていたファン達にとってファースト・インパクトとなったこの映像は、すぐに様々な予想、憶測の材料となった。
 そこでぼくの受けた印象を書くとするなら、それは「良い意味でのどこか違う世界」を感じさせた。まず最初に皆の意表を突く形で黒人青年が白い装甲を着て登場する。画面の中の彼自身、自分が置かれた状況に戸惑っている様子だ。この場面で「ファンフィルムではないか?」とうっすら感じたのはぼくだけではないと思う。「スタ―・ウォーズ」はファン・フィルムが数多く制作されている作品でもあるので、この場面はそういったファン制作のコスプレものに対する一種のパロディ(本物が逆パロディしているところがミソ)としても受け取れる。ついでに劇中においては、新しいストームトルーパー達はクローンではなく、様々な人種の人間で構成されているということが読み取れもする。
 そしてさらに追い打ちをかけるようにぼくらを釘付けにするのは、ボール型のドロイド、BB-8である。ユニークな形だが馬鹿には出来ない隙の無さを感じる。とにかく「なんだこれ!」と言って驚くことしかできない。このドロイドもどこかにぼくがよく知っているSW世界とは「どこか違う世界」を感じさせる。そのあとに登場する新しいXウィング・スターファイターも、出撃準備をするトルーパーも、十字型のライトセイバーも、まるで「スタ―・ウォーズ」が大好きな少年が「ぼくのかんがえたスタ―・ウォーズ」と題してクレヨンで描いて創作したかのような、従来の型にとらわれない、自由なアレンジが感じられるのだ。そして、この映画作りに携わっている多くの人が「スタ―・ウォーズ」のファンだった人達だとするなら、あながちその印象は間違っていないと思う。文字通り「ぼくたちのかんがえたスタ―・ウォーズ」なのだろう。
 最後に登場するミレニアム・ファルコンがテンションをマックスにしてくれる。このファルコンもまた、従来よりもやたらと平べったく見えたり、ところどころに改造が施されているように見える。同じ世界観でありながら、しっかり30年分の更新がなされた世界の中で”新しい”ミレニアム・ファルコンが伸び伸びと飛び回って予告編は終わる。これから一体どんな映画を見せてもらえるのか。ぼくはこれを目撃することができて大変幸福である。

2015年4月12日

「サリンジャーと過ごした日々」感想


 最近ようやく本を読むペースがあがってきた。別に速ければいいということもないだろうけれど、とにかく今は読みたい本がたくさんあって困っているくらい。たくさん読んでたくさん感想を書きたい。
 村上春樹の新訳で「フラニー・ズーイ」を読んだすぐ後だったので、「サリンジャーと過ごした日々」に手が伸びるのはごく自然なこと。とは言えそこまでサリンジャー世界に入り込めていないし、熱にかかっていないので、どちらかと言えばサリンジャーを未読なまま出版エージェンシーで働き始めたジョアンナと同じような目線に立って読むことができたのではないかと思う。ジョアンナはサリンジャー宛のファン・レターを、やや他人事に、けれど書き手の熱意に圧倒され、だんだんとサリンジャーとその作品に惹かれ始める。大量のファン・レターによってサリンジャーの魅力的な輪郭が浮かんでくるかのようで、「そんなに良いものなのか!もっと読もう」とこちらも思ってしまう。
 ニューヨークで働く女の子が主人公ということで、「プラダを着た悪魔」に通じるようなところもある。「101匹わんちゃん」の悪女クルエラさながらに、歩いたあとに紫煙を漂わせて行く”ボス”は、ミランダほどおっかなくないのだけれど、ジョアンナの奮闘していく姿はアンドレアのそれと重なるはず。
 鉄道マニアだから鉄道会社の仕事ができる、文学好きだから書店員が務まるとは必ずしも言えない。ジョアンナはもとからサリンジャーの熱心な読者ではなかったおかげで、良い仕事ができたんじゃないかなと思ったりもする。熱心な読者ではなかったからこそ、いつの間にかサリンジャーにとても近いところにいることになったり。もちろん熱心なことがいけないわけじゃないけれど、そのおかげで彼女が自分の仕事に集中できたことは確かだと思う。
 「サリンジャーと過ごした日々」は働く女の子のダイアリーであり、ジョアンナの自伝であり、サリンジャーに関するレポートであり、そうしてまた一つの時代の終わりも描いているように思う。ジョアンナが務めた、そして彼女とサリンジャーを結びつけた老舗出版エージェンシーは、21世紀を目前にした90年代末、最後までコンピューター化に抵抗してタイプライターとディクタフォン、紙によるメモといったスタイルを貫いていた。なんでも電子化された今の時代から見ると、そのレトロさ(と言ってしまうのもなんだか安直だけれど)に少々惹かれてしまう。けれどそのスタイルもだんだん続けられなくなってしまうんだろうな。

2015年4月6日

「イミテーション・ゲーム」感想


 「世界は天才に厳しい」と西尾維新の本に書いてあったような。そんな言葉がぴったりの「イミテーション・ゲーム」だった。コンピューターという概念すらない時代にコンピューターの基礎――「考える機械」を造るという、素人には気の遠くなるような途方も無い話だけれど、それだけチューリングの偉大さが伝わって来る。しかしその偉大な功績に反して、描かれるイギリスの暗部・・・。そう言えば「裏切りのサーカス」に出ていたマーク・ストロングがまた諜報機関の人をやっていた(MI6のスチュワート・メンジス少将)。カンバーバッチとの組み合わせも既視感というか、似合うよね。今まであまりキーラ・ナイトレイに注目したことはなかったんだけれど、本作でその魅力にやられた。もっと主演作を観よう。マシュー・グッド演じるヒュー・アレグザンダーの好敵手さもとても良かった。少年漫画のライバルのようである。そこだけ切り取ると友情と努力がもたらす勝利を描いた物語のようでもあるけれど、それだけでは終わらない。
 天才キャラのカンバーバッチにはたまにはアホな役をやってほしい。

2015年4月5日

財布とiPhone



 このひと月のあいだに買った物と言えば、新しい財布とiPhone。ツモリ・チサトの財布はぼくの人生で初めての長財布となった。金色の華奢な留め金やがま口が、ぼくにはもったいない。ぼくの新しいグリンゴッツとして活躍してくれることを願う。
 高校時代から7年間使ってきた旧式折りたたみ携帯電話から、最新式のiPhoneへの切り替えはぼくにとって産業革命のようなものである。とは言えiPod touchやiPadといった機器は使っていたから、そこまで新鮮さはない。しかし、出先で全てのメッセージを確認できることは大きいし、今更ながらインスタグラムの「自分の生活を自分が望んだように切り取る」機能にやられてしまった。iOS版のゲーム「グランド・セフト・オート」にも夢中である。ただ、あまりにもいろいろな機能があってこれが電話という実感が未だに沸かない。これを買った翌日も、果たして前日まで使っていた古い携帯電話を持って外出しないで大丈夫だろうか、と少し不安になった。iPhoneは事務的な電話機というイメージとはほど遠く、むしろ仕事に使うには不謹慎に感じるくらいである。世の中はだんだんオモチャ化しているのだろうか。
 iPhoneと言えば、度々ボディや画面に亀裂の入った物を使っている人を見かける。一体どういう扱い方をしたらあんなふうになるのか疑問だけれど、どうやらiPhoneはカバーやケースを装着するのが一般的らしい。裸で持つのが一番かっこいいと思うのだが、やはりそれは恐いのでカバーを着けることに。アップルの頭の良い人達が一生懸命考えたデザインもすっかり台無しである。
 「スター・ウォーズ」のiPhoneケースを探したがどれもイマイチなものばかり。単純に映画劇中の写真かなんかをプラスチック面にプリントしてくれればいいのに、やれ和風のアレンジだの、妙なイラストにアレンジしたものだの、これを「スタ―・ウォーズ」が好きな人が着けるのだろうかと首をひねりたくなるものばかり。その中でもシンプルにロゴだけあしらったものが一番まともで無難なので、探したところ、なんとロゴがプリントされているというよりはロゴそのものがカバーになっているのを見つけた。前からぼくはシリコンで出来た、iPhone本体に対してやたらとデカく変わった形をしたカバーに憧れを抱いていて、敬意を込めて「頭の悪そうなiPhone」と呼んでいた。ぼくも頭の悪そうなiPhoneを持ちたい。ということで「スタ―・ウォーズ」の特大ロゴ型カバーを候補に入れた。また、これは大分趣向が変わるが、マーク・バイ・マーク・ジェイコブスのピカピカのiPhoneケースも少し欲しかった。どっちにしようかなあと迷っていたが、二日後くらいに家に帰ると机の上に件の「スタ―・ウォーズ」のカバーが置かれていた。妻が買っておいてくれたらしい。それならもうこれに決めるしかなかろう。大きくて持ちにくそうで、これでぼくのiPhoneも頭の悪そうなポップさを持てるというものだ。一方、ぼくと一緒にiPhone6に切り替えた妻も自分用の新しいケースを買ったらしく、なにを買ったのかと尋ねると、これがマーク・ジェイコブスのピカピカケースだった。うーん。まあいいか。


2015年4月3日

ALIENS FROM STARWARS


 「スター・ウォーズ」は様々な異星人が登場するから素敵だ。左上から、イソーリアンの追放者モモー・ネイドン、ローディアンの賞金稼ぎグリード、ビスのミュージシャン、中段の左からイウォーク族のウィケット、ハット族の犯罪王ジャバ・ザ・ハット、ジェダイの長老ヨーダ(ヨーダの種族名は未だ不明)、左下からジャバの執事ビブ・フォチューナ、モン・カラマリのアクバー提督、ガモーリアンの衛兵。SWのオリジンを感じさせるエイリアン達でした。

ANIMALS FROM STARWARS


 動物と言ってしまっていいものかどうかわからないが、ともかく「スター・ウォーズ」世界に登場する生き物達、の一部。旧三部作の印象的なやつらを並べてみた。
 (a)草食動物のバンサ。砂漠の惑星タトゥーインで盗賊タスケン・レイダー達が騎乗用に使っていたのが印象的。肉は食用、毛皮は服は装飾品になる。実際には生きた象に角や着ぐるみをつけて撮影された。
 (b)は大型爬虫類デューバック。バンサ同様、一作目のタトゥーインのシーンで帝国軍の兵士達が騎乗用として使っている。劇場公開当初では動かないはりぼてだったが97年の特別編以降CGでヌルヌル動くように。
 (c)第二作目「帝国の逆襲」の序盤に登場する、氷の惑星ホスの洞窟に住むワンパ。「美女と野獣」の野獣と雪男イエティを合わせたようなやつ。ルーク・スカイウォーカーはこのワンパの片腕をライトセイバーで斬り落とし、命からがら氷の洞窟から逃げ出す。
 当初は反乱軍が秘密基地の中にワンパを捕らえ、幽閉するくだりがあった。帝国軍との戦いの際にC-3POがワンパを閉じ込めている部屋の警告ステッカーを剥がすことで、帝国兵がワンパに襲われるというユーモラスなシーンもあったが、カットされた。
 (d)この絵ではわからないが、実際はこの中で最も巨大な生物、スペーススラッグ(宇宙ナメクジ)。ハン・ソロとレイア姫達の乗ったミレニアム・ファルコン号は、帝国軍の追跡から逃れて小惑星の中の洞窟に隠れる。しかし、この洞窟は実はスペーススラッグの腹の中だった!というシンドバットがクジラの背中を島と勘違いして上陸する話を彷佛とさせるオチ。ちなみに「レゴ・ムービー」にはこのシーンのパロディがある。
 (e)ぼくがクリーチャーの中でも一番好きなトーントーン。ワンパと同様ホス星に住む雪トカゲで、ルークやハン達が騎乗用に使う。鳴き声が可愛い。ハン・ソロは吹雪の中で衰弱したルークを救うため、凍死したトーントーンの腹の中に友人を突っ込んで簡易的なシェルターにする。
 (f)ワンパも恐いがこいつも恐い。もう動物というより怪獣である。ジャバ・ザ・ハットが床下で飼っており、彼の怒りを買った哀れな人々が主な餌。「キングコング」や「ゴジラ」といったモンスター映画、あるいはレイ・ハリーハウゼン作品へのリスペクトが詰まったクリーチャーである。