2017年10月14日

『ワンダー・ウーマン』(2017)


 たぶんマルという名前に親近感を覚えているところもあるのだろう。そもそもこのドクター・ポイズンというキャラクター、コミックにおける初登場時その正体は日本のプリンセスだったというのだから、マルは丸なのだ。
 影のある物憂げな表情(綺麗な顔にカバーマスクというアンバランス感が素晴らしい)としゃがれ声が醸し出す幸の薄そうな雰囲気が良いよね。カバーマスクの下もクライマックスであらわになるのだが、あのダメージはどうして負ったのか。おそらく枯れた声から察するに自ら実験中に毒ガスを浴びたりとかそういうことではないだろうか。いずれにせよ神経ガスやカバーマスクは第一次世界大戦時代のダークなアイコンである。
 結末の話をしてしまうが、「闇」が晴れたあとにドイツ兵が皆一斉に不気味なガスマスクを脱ぎ捨てて、純朴そうな青年たちの顔が覗くシーンが好きだな。わかりやすい勧善懲悪な世界観でそれまで展開していただけに、そう来たか!と。『キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー』もそうだったけれど、世界大戦当時の原作コミックにおける敵国や善悪の価値観との折り合いをうまくつけているなと思う。キャップの場合は、ドイツが悪役というより、あくまでナチスのいち部門である結社「ヒドラ」をメイン・ヴィランに置いていた。敵と悪が分けられている。
 キャプテン・アメリカの話が出たからついでに言うと、キャップとワンダー・ウーマンが付き合えば万事うまくいくのではないかと思ったり(会社の壁なんぞ持ち前のパワーでぶち抜けよう)。ていうか、キャプテンはスティーブ・ロジャースで役者はクリス・エヴァンス、ワンダー・ウーマンの相手役はスティーブ・トレバーで役者はクリス・パインって、すごいかぶり方。
 思えば『キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー』における、トビー・ジョーンズ扮する悪の科学者ゾラ博士もお気に入りのキャラクターだった。世界大戦ものには必ず悪の科学者がいるらしい。
 マル博士も終戦後連合側に協力し、スーパーコンピューターに意識を移して後にジャスティス・リーグの前に立ちはだかったり……ないか。