2017/10/16

SWサイト構想

 アイデアばかり書き連ねて全然形にしないのはなんとも格好悪いものだけれど、しかしアイデアを全然提示しないのもまたおもしろくないので、まあ、こいつ言うだけで形にしないなと思われない程度には構想を小出しにしてもいいのかなと、自分の考えの整理のためにもアイデアを書いてみようと思い筆を取る。
 と、前置きはさておき。
 実は2年前の『フォースの覚醒』公開までに一度SWのファンサイトを自分なりに作ってみようと思っていたのだが、なんといってもエピソード7公開に向けて妙なテンションの上がり方をしており、仕事もなかなか勢いづいていた時期なのですっかりタイミングを逃してしまっていた。美術手帖にSWイラスト・エッセイを寄稿させてもらった時点でSWワークの方は少し満足してしまったところがあったし。
 しかし、それ以降もSWイラストを描いたり、いろいろと文章の小ネタも結構投下しているので、それらをアーカイブしたり、もっと掘り下げて思い切り書き散らしたいところもあるので、やっぱり別個のウェブ・サイトを作りたいなあと思っていた。専門的な技術はこれっぽっちもなく、既存のブログ・サービスを使ったり、ちまちまとタグを打つくらいのことしかできないけれど、それでもやはりホームページ作りは楽しい。

 SWの個人ファンサイトといえば、ひと昔前、プリクエル三部作公開の頃は検索したらいくらでもヒットしたように思う。規模の大きいところからページ一枚だけの小さいところまで、本当にいろいろあって、自作のイラストや小説、論文、レゴ・ブロックの作品などを掲載したり、おなじみのメイン・テーマをオルゴールBGMで流していたりと、時代を感じさせる手作りホームページの雰囲気も手伝って非常にオタクなサイトという感じで良かった。だいたい背景は真っ黒でテキストが白とかなんだけど、たまに綺麗な色使いのものもあって、スタイルが様々なだけあって管理人によってはセンスが際立っていた。管理人という言葉がもはや懐かしい。SWサイトだからカウンターとかも大抵は「あなたは……人目のジェダイです!」みたいな言い回しで。ぼくよりもずっと年長の、インターネット勃興期を間近で目撃してきたひとたちからすれば、もっともっと懐かしい用語がいっぱいあるのだろうけれど。所詮ぼくの言っているのは00年代初頭のこと。

 最近は「スター・ウォーズ」と検索欄に打ち込んでも、とにかくニュース・サイトやバイラル・メディアだかの記事が上位に上がって来て、ウェブ上のSW百科事典として名高い「ウーキーペディア」や「スター・ウォーズの鉄人!」すら検索結果のページを結構めくらなければたどり着けない(この辺は個人の履歴にもよるのだろうけれど)。昔ながらの手打ちサイトは当然ながら、個人のブログすら物好きなひとしか続けていない状況だし、いずれにせよ商業ページばかりヒットして非営利なページなんてとてもではないが見つけられない。
 SWに限らず、なにか作品や人物が気になって調べると、有志によるファンサイトに行き当たるというのはちょっと前なら普通のことだったように思うけれど、もはやそういう同好の志がこっそり集まっているような隠れ家感は、ない。まだそれほどメジャーでない分野ならあるかもしれないけれど。

 ブログやSNS(主にツイッター)でファンダムを覗くことはできるけれど、あまり個人サイトを覗いていたときの、ひとの部屋を覗いたりそこに集ったりという感じはせず、どちらかというと世の中全体に対して開かれた、ショーウィンドウ的な感覚しかせず(つねにたくさんの人に見られているから行儀よくしようというような。もちろん中には好戦的なのもいるだろうけれど)、ましてやツイッターにおけるファンダムなど個人的に非常に同調圧力を感じるので、正直あまり居心地がよさそうとは思えない。と言うか実際よくない。殺伐としていたほうがいいのかといえばもちろんそんなことはないのだが、なんというか、議論するところは議論して、尊重し合うところは尊重して、ケチをつけるところはケチをつけてみたいな、そういうバランスに欠ける気がする。要するにベタベタしていて気持ちが悪い。おそらくツイッターで主流な(それを主流と認めてしまうことにも抵抗があるが)SW好きのコミュニティには一生加われないと思うが、まあ、ぼくは多分それでいいのだろう。賑やかなところからは少し離れて自由に独りでやろう。
 
 またひとさまの話になってしまったけれど、さて、SWサイト構想である。 
 ここまで書き連ねて来たように手打ちのサイトを作りたいという気持ちは強いのだが、自分の本業サイトですら作品ページをTumblr、テキストをこのブログという具合に、コンテンツを外部サービスで済ませてしまっている始末なので、現実的に難しいだろうと思う。更新や管理のしやすさを追い求めると結局ブログになってしまい、手打ちのページはそれらのアーカイブというか、表紙程度に留まっている。がんばって手打ちで自由なスタイルを作れれば理想なのだろうけれど、更新や管理が負担になってそのことがストレスになったりして結局放置気味になってしまうのがいちばんよくない。楽できるところは楽をして、とりあえず既存のものをうまく使っていくのがいいのかもしれない。まずは形より内容をちゃんと書きたいしね。

 スマート・フォンで閲覧するひとも多いということを考えると、文字の大きさ等が画面の大きさに合わせて調整される、いわゆるレスポンシブ・デザインを意識しないといけなかったりする。本来そんなに気にしなくてもいいことなのだが、自分自身も出先で自分のサイトを確認する機会があり、そういうときは「見づれーな!」となったりするので、ある程度は対応していたほうがいいのだろう。そうして、そのへんのことを突き詰めようとすると技術的な壁にぶち当たり、これ、ぼくのやることだろうか?などと自問して苦しむことになる。だったら最初から既存のサービスを使って書いていったほうが楽、ということに。

 せっかくのSWサイト、イラストをふんだんに使ったサイトにしたいなあとも思うので、そういうのはやっぱりテキスト・サイトのほうが勝手がよさそうなので悩ましいけれど。たとえばそうだなあ、モス・アイズリー宇宙港のカンティーナの店内の絵があって、その中にあるハン・ソロとグリードが向かい合ってるボックス席の部分をクリックするとそのシーンの詳細に飛べて、飛んだ先にはハン対グリードのシーンがより大きく描かれていて、いろいろとテキストも書いてあって……みたいなやつ。そんな感じで全ロケーション、全シーン作れたら最高だ。しかし、そんなマップ的なものが作りたいのかと言えばそういうわけでもなかったりも。イラストありきなサイトになるので、それはそれでもいいのだが、わりと延々とコラムを書き散らしたいという気持ちのほうが強いので。ウェブ上にSW紙芝居を展開できたら楽しそうだけれど、それをやるなら自分の創作をちゃんとやりたい気も。

 やはり、普段描いているようなファンアート&コラムをアーカイブするなり、より掘り下げるなりしてちまちま記事を増やしていく方が今のテンションには合うのかもしれない。一度始めてしまえば方向性が見出せるかもしれないし、そもそも方向性なんて要らないのかもしれない。いずれにせよこのブログであまりにもSWについて掘り下げることが少なくないので、別個のページも用意しておきたいと思っている。