2012/08/11

STARWARS In Concert



 スター・ウォーズのファンでよかったと思える夜だった。
 コンサート自体初めてで、ぼくの席は真ん中の一番後ろ、一番上。そこから見えるステージは随分下で、遠く感じたけれど、照明が落ちてステージだけが照らし出されれば全然気にならなかった。おなじみの20世紀フォックスのファンファーレから始まると皆が歓声を上げた。さらにそのあと、黒地に青い文字でいつもの冒頭文が現れるとさらに大きな歓声。

「A long time ago in a galaxy far far away....」

 メイン・テーマが終わると、ホストを務めるアンソニー・ダニエルズが登場(C-3POの中の人)。真っ黒なスーツで現れて日本語で挨拶すると、綺麗なイギリス英語で解説を始める。その声はよく聞き慣れたプロトコル・ドロイドそのもの!
 
 前半は銀河共和国の栄光の時代が次第に黄昏を迎える様子とアナキン・スカイウォーカーの生い立ちをテーマに曲と映像が進行し、全ての曲の合間にダニエルズが語りを入れてくれる。まさにサーガの語り手。とにかく声が良く通り、発音が綺麗で、表情豊か。ユーモアもたっぷり。突然、黒いジャケットの前を開けると、なんと下には金色のベスト。その瞬間にC-3POのキャラクターに切り替わり、おなじみのモーションと劇中の台詞を披露。まさかあんなすげえものが観られるとは思わなかった。とっても素敵な人だった。ぼくはC-3POもアンソニー・ダニエルズも大好きだ。

 このコンサートはオーケストラが演奏するとともに、そのバックのスクリーンに特別に編集した映像が流れ、ステージのライトがさらに演出を手伝うという、かなり派手なもの。日本でこんなに派手なSWイベントを観られることがもうすごくうれしい。

 アナキンの奴隷時代からポッドレースでの勝利、共和国に忍び寄る影、アナキンの成長、パドメ・アミダラとの再会と恋、道を誤るアナキン、そうしてダース・ヴェイダーと帝国の誕生(インペリアル・マーチ!)という具合で前半が終わる。何度も見返している映像のはずなのに、改めてこうして生演奏と一緒にまとめてダイジェストで見せられるとやっぱり感極まる。だから、曲のたびにうるうる泣いた。アナキンの人生は結局一度だって自由だったときがないんだな・・・。

 後半は旧三部作に移って、アナキンとパドメの子供達、レイアとルークの物語に焦点が当てられる。レイアとルークそれぞれのテーマやモス・アイズリーのカンティーナ・バンド、小惑星帯での追跡劇、ヨーダのテーマ、デス・スターをめぐる宇宙戦、エンドアの森・・・。映像は新三部作の共通したシーンなども織り込まれて大変な盛り上がりを見せる。どの曲も素敵だ。普段から気に入って聴いている曲ばかりなのに、そんな曲をこんな演出で聴かせられたらうるうるするに決まってる。大好きな映画と大好きな音楽で涙を流すのは気持ち良い。この素晴らしい映画音楽を作曲したジョン・ウィリアムズは今年で80歳になるらしい。本当に天才。

 そんな音楽と映像、語りの様子はまるで映画というよりは神話とか、おとぎ話のように見えた。まさに「遠い昔」という冒頭文がぴったり。ダニエルズのあの語りは、よく知っている映画をちょっと違う物語のように感じさせてくれて、でも映像も音楽もお馴染みのものばかりで、それは少し不思議な感覚だった。
 最後は勝利を祝うテーマからのエンディング。デス・スターや皇帝が滅び、闇の殻を破ったアナキン・スカイウォーカーは帰還を果たす。レイア姫はルークとハン・ソロにメダルを授与してにっこりと微笑み、銀河中が平和と勝利に歓声を上げた。
 まるで6部作を通しで観たような気分。すごく充ち足りた時間だった。


ロビーにはお馴染みのコスプレ集団がいて記念撮影合戦だった。
ストームトルーパーとか撮りたかったけれどとても割って入れないので、
その辺をうろちょろしていた砂漠のガラクタ商人、ジャワを。